羊毛フェルトの小鳥とホスピタルアート

2017-02-17 | Posted in ブログNo Comments » 

ホスピタルアート

今年の秋には瀬戸内の香川へ引っ越す京都・二条城北側にあるモーネ工房。
初めて羊毛フェルトの作品を箱市(手作り市)で販売した場所として
デザインや手仕事のプロの皆さんの作品が見られたりお話をたくさん聞けて吸収できた思い出の場所です。
森のことりが制作の理念に掲げている「作品で見守る・励ます・よりそう」という想いに通じる
四国こどもとおとなの医療センターのホスピタルアートディレクターの森合音(もりあいね)さんの病院建設のお話を初めて聞けたのもモーネ工房でした。
モーネ工房を主催する井上由季子さんが離れて暮らす御両親がそれぞれ入院になったときに原稿を執筆されていました。
そして亡くなられてからの出版になったそうですが「大切な人が病気になったときに何ができるか考えてみました」という本をを出版されたのを記念して再びアートディレクターの森さんのお話し会があるので2月11日の土曜日にモーネへ行ってきました。
本の読み終えていない段階ですが秋にはなくなってしまう工房の記録として残しておきたいので綴っておきます。

ホスピタルアート

表紙はモーネのグラフィック工芸コースの1期生から10期生までの皆さんのコラージュ作品が切り取られて使われています。
右側に添えた「しりとりえほん」は実際に四国こどもとおとなの医療センターで小さな患者さんたちが無料でもらえる切り絵でできた絵本の完成前のものでこの日に本を購入するといただけるささやかなプレゼントでした。
モーネのフライヤーと壁には木のカードの作品の実物が展示されていて木のモチーフが大好きな私にはそれだけでも見に行きたかった展示です。

ホスピタルアート

今回のお話し会で制約がある中で作ってこそ、その人の個性が輝くというお話を
障害者のかたたちが塗られた蝶々の壁画を見せていただいてその意味がやっとわかりました。
絵はデザイナーがあらかじめ決めた色や形を塗るのですが一人ひとりの筆致や筆圧が違うので同じ画材を使っても同じ色を使っても決して同じにならなくて世界でたった一つのものが出来上がるという意味なのです。

ホスピタルアート

だからモーネのグラフィック工芸コースで学ばれた生徒さんの作品もひとくちに「木」のカードといってもどれひとつ同じものがなく、
見ているこちらまでが作りたくなるような個性の花が枝いっぱいに広がっていました。

ホスピタルアート

ホスピタルアート

ホスピタルアート

そして、森さんのお話で、もうひとつ印象的だったのは担当された医療センターのボランティアには患者さんも多く含まれていることです。
摂食障害やリストカットの治療をされている患者さんが改善されていかれる姿も報告されていました。
森さん御自身がご主人を突然死で亡くされて、家で泣けばお子さんも悲しむ、母親の前で泣けば心配されるなか「一人で泣く場所が無かったときに出会った絵を偶然見てやっと泣くことができた」ことがあったそうです。
「物を作る人は自分の中に足りていない何かを埋めるために作っているような気がします」とおっしゃってたのがまるで私自身のことを言われたように感じたのです。
質問のあるかたは直接どうぞと言われたので思わず自分が日ごろ抱いているこれからも増え続けていく一人暮らしのかたの医療やケアのことについて森さんのお考えや現状などを聞いてみました。
私が羊毛フェルトで小鳥を作っていることを仕事にしている事はひとことも触れなかったのですが
最後に「どうかあなたのお仕事に誇りを持って続けてくださいね」と言われたことが私には最高のギフトになりました。

ホスピタルアート

コンクリートの打ちっぱなしの工房がいつも全く寂しくも冷たくも感じなかったのは壁のひとつひとつがペンキで塗られ
人が作ったものがどこかにいつも存在していたからなのかなと感じたモーネの柱。

モダンでスタイリッシュな展示会のお知らせをたくさんもらって帰ることも会場をあとにする時の楽しみでもありました。
モーネ工房が京都にあるあと数か月のあいだ、見られる展示はすべて見て何かひとつでも自分が作ることでまたどなたかへお返しができるように心と目にいっぱい栄養をつけようと思っています。

羊毛フェルト 鳥の羽と翼の実験

ただいま試作中の羊毛フェルトの小鳥たちの翼の一部。
メジロが一羽すでに旅立っているのですが、芯の太さや素材を変えて最良のものを模索中です。
小雀だと実寸で作るとボツになるのを作ってから気が付いた残念なサンプルとオーダー用。
週末には仕上げる予定です。

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